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2008年09月19日 (Fri)

小説風幻想「月光」 第21回

   「月光」   第21回



「ご迷惑かけて申し訳ありませんでした。」

頭を下げた。
一人ぼっちの自分の部屋で過ごした3日間はものすごく長かった。
部屋の隅っこに小さくなって、早く時が過ぎるのだけを我慢して耐えてた。
もう少し、実家にいればよかったかな・・・と、後悔したりもしていた。
いつも、実家にいてもやることがないし、たまに会えば嬉しい親子でも、普段別々に暮らしてきた分、一緒にいる時間が長くなってくると、お互いに不自由を感じたりしてしまう。
それで、いつも2泊くらいしかしていなくて、今回も通例どおりに帰ってきた。
でも、あれ以上いたら、一人ぼっちになる勇気をなくしてしまいそうだったんだ。
涙を流した私への、母の気遣いは、もう娘である私にではなくて、一人前の女としての扱いだったって思う。
そうされることを、嬉しいような、心細いような複雑な感じがしていたし、ちょっと恥ずかしくもあったし。
暖かさに、へたへたと座り込んでしまいそうでもあったし。
だから、何とかまだ一人で立っていられるうちに、頑張って帰ってきたつもりだったの。
母にこれ以上の心配はかけたくなかった。
母がそうしてくれたように、もう私は娘じゃない・・・一人の女じゃなきゃいけないって思えたの。
私にとっての一番が、私の体の中心に、ただ一人だけ居たことは気がついていた。
最後の力を振り絞って帰ってきたから・・・
だから、一人になると、立ち上がることも億劫なくらい疲れてた。気持ちも、体も。




和也からはチケット以外、何もなかった。
メールしようと思って携帯に手を伸ばすたび、まだまだ続く舞台を考えて、手が止まった。
私からは声がかけられなかった。
逃げてきた自分が、また和也のペースを乱すのは許せなかった。
短いけれど、手紙は残してきてる。
それでも、メール1本ないってこと・・・その意味を考えてしまってた。
ただ・・・ただ・・・1枚のチケットだけずっと見つめてた。
考えようとするのだけど、頭が動かなかった。
このまま、離れ離れの心のまま。
元気でいるのか、怪我していないのか、それすらもわからないまま。
心配することが、彼にとって良いことなのか、望んでくれることなのか。
(じゃあ、私はどうなの?どうしたいのよ!)
自分に聞いてみても、私は、心配せずにはいられなかった。
和也はどうしているのだろう。
何を思っているのだろう。どんな気持ちでいるのだろう。




今日はやっと、仕事という、行くべきところに来れて、ホッとしていた。
自分の場所が、ここしかないなんて・・・悲しいね。

「お母さんはどう? 大丈夫だった?」
「はい。もう傷口を濡らしてもいいって許可が出ましたから。ありがとうございます。
怪我は大したことないんですけど、ドクターが言ったことを、ちゃんと守ってしまう性分で・・・
『絶対濡らせないんだから・・・』って心細そうに言うので。
すみませんでした。」

ペラペラと嘘を言っている、私。

「休暇が、親孝行に使われちゃったわね・・・
でも・・・今思い出したんだけど、たしか、月末は、彼氏と出かけるって楽しみにしてなかったっけ?」

そういえば、吉本さんに、夏季休暇は彼と出かけるって話をしていたかもしれない。

「私も慌てて、休暇使う?って聞いちゃったけど、予定が丸つぶれになったんじゃない?」
「い、いいえ・・・そんなことは・・・・・。」
「ね、計画がまだ壊れていないなら、月曜だけ休みとって、三連休にして行って来たら?
遠くは無理かも知れないけど。ね。
不規則な仕事の彼氏でしょ?
せっかくお休み合わせていたんじゃなかったの?
月曜一日なら、大丈夫よ。私も残業できる日だし。
ちゃんと親孝行したかりんちゃんに、私からプレゼントするわよ。」
「吉本さん・・・・・。」

詳しく話した記憶はなかったけど、和也のところに行く計画、それを和也と出かけるって話した私は、弾んでいたんだろうな・・・。
吉本さんって、こういうポイントで、すっごく私を見ててくれるんだ。
普段から深い話はしないのに、私がミスしたときとか、一人暮らしが切なくなる誕生日とかクリスマスとか。
体調が悪いときとか。車をぶつけたときとか。
一人で抱えるのが嫌になるような、心細くて震えるような感情が顔に出るのだろうか?
そういう時、ふっと声を掛けてくれる。
お子さんがまだそんなに大きくはないから、仕事のあと食事に行ったりとかはしないけど、
お昼においしいお菓子を持ってきてくれてたり。
私って、素敵な人と一緒に仕事させていただいてるな・・・。




(もしかして・・・これって・・・・・。)
帰ってきて、チケットをまた手にとって、和也が書いてくれた宛名を眺めながら考えていた。
千秋楽に行けってこと?
運命がそう流れてるってこと?
ううん、違うよね。
運命じゃなくって、私の気持ちだよね。
行きたい千秋楽に、行ける道ができたってことよね。
私は、和也の舞台を見たいんだよね?
和也がチケットを届けてくれた千秋楽に、絶対行きたいんだよね?
連絡が全然なくて、チケットだけ。
『俺の舞台を見て欲しい。』
それは間違いないって、そこまではやっと考えた。
ただ、その次が、怖くて進めなかった。
『これが最後だから。』
そういう意味かもしれないって、そう思う気持ちが拭い切れなくて、怖くて震えそうだった。
だから、仕事が休めないから行けないよ・・・なんてバカな言い訳をを自分に押し付けしようとしてたのかもしれない。
でも、ダメだね。それはダメ。
行けるんだし。
行かなくちゃ。
何が待ってても・・・・!
和也がくれたチケットだもの。
和也の集大成は、応援してきた私の集大成だって思ったっていいよね?
自負心ありすぎだけど・・・。
でも、チケットがそれだけは示してる気がするよ・・・。
その先があろうとなかろうと、ここまでは頑張ってきた・・・それでいいって思わなくちゃ。
今はそうしたい。
これ以上は考えずに、動こうってそう思うことにした。



明日、吉本さんにお願いしよう。月曜日のお休みのこと。
行こう、東京へ。行こう、帝国劇場へ。
怖いなら、これでいい・・・・・
‘和也に会いに行くのじゃなくて、「カズヤ」を見に行くの’
私は自分に言い聞かせるようにして、動き始めた。



日曜日の千秋楽まで、あと4日。
まずは、飛行機の予約。
和也が送ってくれたチケットは、行きの分は、あの時慌てて変更で使ったり考える余裕も無くて、結局無駄にしたから。
千秋楽は昼公演で、頑張れば日帰りすら出来るのだけど、ばたばたしたくなくて、土曜日に発ち、前泊することにした。
予約する時、和也のマンションのなるべく近くのホテルにも目が行ったけど、なんだか和也が千秋楽と言うゴールを目指してひた走ってる姿が浮かんできて仕方がなかった。
それで、私も同じところを見つめている気持ちで、帝国劇場の近くに予約を取った。






       →よかったらパチコーンとおひとつ・・・



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編集 |  16:15 |  小説風幻想「月光」  | CM(8) | Top↑

コメント

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 |  2008.09.19(金) 17:54 |  |  【編集】
●嬉しいです♪
ずっと先が気になってたので再開嬉しいです
ありがとうございます(o*。_。)oペコッ

和也とかりんの繋がりが消えないでいてくれたら
いいんだけど・・先が凄く楽しみです^^
miwa☆ |  2008.09.19(金) 19:00 | URL |  【編集】
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 |  2008.09.20(土) 02:21 |  |  【編集】
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 |  2008.09.20(土) 02:38 |  |  【編集】
●09-19 Fri 17:54 隠しコメさま
久しぶりですね~またお話できて、とっても嬉しいです。
きっときっと見ててくれてるはず・・・とは思いながらも、「どうしてるかな・・・」ってよく思いを馳せてましたよ。
書いて出したら、また話せる!って願ってきました。
良かった~待っててくれたんだ!

ファンなんて・・・いやはやそんな・・・恥ずかしいですが。
心情表現出来てますか?
物語の筋がドラマティックだったり、速度があったりとかしなくて、だらだらとしたのしか書けないので、せめて気持ちくらいはしっかり書こうとしています。
どうしてそう動くのか、ちゃんと理解してくださるくらいには、しっかりね・・・。

千穐楽のチケット、和也が持ってたままでしたもんね。
ここで生きてきたでしょ?
何度も何度も手にして眺めるかりんです。
それで動き出すかりんです。

また、よろしくお願いしますね。感想文、楽しみにしながら書いていきますから。
ごんままっち |  2008.09.22(月) 16:38 | URL |  【編集】
●miwa☆さま
皆さんにこうして「ありがとうございます」と言われるとは思ってもみなかったので、恐縮しています。
こちらの方が待っててくださって、本当に本当にありがとうございます・・・なんです。

miwa☆さんの作品、ガードがかかってるのをいいことに、拝見しないままですよ・・・ごめんなさい。
次々に書かれているのでは?
私ったらこんな風でのろのろで・・・(汗)

和也とかりん、どうなるでしょうね。かりんは東京へ行くことだけは決められたようです。
一人で行く東京、和也はずっと舞台。
二人は、二人の繋がりは・・・。うまく書けています様に・・・。
ごんままっち |  2008.09.22(月) 16:45 | URL |  【編集】
●09-20 Sat 02:21 隠しコメさま
本当にありがとう。
メールにも書いたけど、コメント読んだとたん、涙が流れました。
かりんをそういう風に思ってくださる人は、案外そうはいないものでね。それは、そう思ってもらおうと書いているわけじゃないから、簡単には見つからない視点なんだけどさ。

また、かりんの心情、そうそう、チケットの意味をいろいろ考えあぐねる。いい方ばかりになんてなかなかなれない。
一人でいつもいて、和也が好きすぎるから、悪いほうをいつも用意して、一人の孤独に備えてみたり。
そういうの出ていたのなら、感じてくれたのなら嬉しいです。
かりんの辛さ、一緒にかあ・・・喜びも共有できたらいいのにね。ありがと。
ごんままっち |  2008.09.22(月) 16:55 | URL |  【編集】
●09-20 Sat 02:38 隠しコメさま
もちろん覚えていますよ。夏休み、唯一のリクエストでした。
携帯からだと「桜~sakura~」に行き着かれるらしくて、そちらは閲覧がたまにあるのですが、「月光」読んで続きを!って言ってくださったのは初めてで、それはそれは嬉しかったです。
期待に沿えるようなものが書けていればいいのですが・・・
楽しみにしてくださる方がいると、張り切って書いてます。
単純な作者ですので、また励ましてやってください。
ありがとうございます!
ごんままっち |  2008.09.22(月) 17:01 | URL |  【編集】

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